オステオパシーで身体を評価

★例えば、「腰痛」の原因として!

オステオパシーは、症状だけでなく、カラダ全体を総合的に診ています。
  • オステオパシーでは、「○○の症状(痛み)なら、あの場所にこのテクニックでアプローチする。」という考え方はいたしません。
    上記の図ように、「症状の原因は、痛みが起きた部位とは別のところにある。」ことがほとんどだからです。(腰痛の原因は、上記以外にもたくさん考えられます。)

    そのため、解剖学や生理学の知識に基づいて、触診によって全身のすべての膜組織や人体構造(=骨格筋のバランスや内臓だけでなく、脳や神経・血管・体液循環まで)・生体エネルギーまで評価します。
    また、過去の身体的・精神的トラウマ(例えば:手術や事故・精神的なショックなど)は、数年や数十年後に後遺症として「別の部位にカラダの痛み」を引き起こすこともあります。これらも、手を当てることで見極めます。

    オステオパシーでは、症状(痛み)を引き起こしている根本的な原因を探し出し、その原因に対して主に手技で適切な施術をいたします。すると、身体は自然治癒力を最大限発揮できるようになり、自ら正常な状態へと調整し始めます。
    同じ症状であっても原因は違うため、患者様のその時の身体の状態に対して、身体が受け入れることのできる適切な量だけの施術をいたします。

オステオパシーの施術の特徴

当院で使用するオステオパシーテクニックの多くは、優しく手を当て、数分間保持し、リリース(調整・解放)させる方法です。そのため、とてもソフトで優しい施術なので、全ての患者様に安心して受けていただけます。
大きな動きがないにも関わらずカラダがどんどん緩んでいくため、施術中に気持ち良くて眠ってしまう方も多いです。厳密には、手を当てているだけのようで、「繊細な膜組織の動きを感じ、細かくバランスを取り続けてリリースさせる。」ことをしています。

ですが、患者様のカラダの状態(強い衝撃を受けている・継続的な圧が加わっているなど)の関係で、選択するテクニックによっては、多少の痛みや負担を感じることはございます。しかし、たくさんのテクニックを準備していますので、その中から患者様の年齢・性別・体格・症状の状態に合わせて、同じ部位へのアプローチでも、状態に応じてカラダに負担の少ない最適なテクニックを選択して施します。

  • Fascia(ファシア:膜組織)へアプローチ
  • 膜組織(ファシア)が捻じれたり、緩んだり、緊張していると、骨格の歪みや筋肉の緊張を引き起こしたり、内臓や神経・血管にも悪影響を起こします。
    筋膜リリースは、力で揉み解したり、ストレッチさせて引き伸ばすわけではありません。
    筋膜に優しくコンタクトして、膜組織の動きを感じながら細かくバランスを取ってリリース(調整・解放)させることで、膜組織の自動運動を取り戻します。
  • 関節へアプローチ
  • 骨格の歪みは、「他の部位に問題が起きた結果であり、症状の原因ではない。」ことが多いです。そのため、単に歪みだけを矯正しても、すぐに再発してしまいます。
    当院の関節アプローチは、関節を構成している組織や靭帯などの動きを感じながら、さらに関節を歪ませている別の部位の組織の緊張を感じながらリリースさせるため、再発の可能性が低くなります。
    頭蓋や顔面骨も含め、すべての関節に対して骨格調整が可能です。
  • 内臓へアプローチ
  • 病院の検査には問題がなくても、オステオパシーで内臓を評価すると問題(機能低下)が見つかることも少なくありません。
    内臓は深い部分にありますが、力で揉み解すのでななく、優しいコンタクトで内臓を包み込むようにアプローチします。
    そして、内臓自体の硬さや、覆っている膜組織の緊張や捻じれ・内臓を支えている靭帯・内臓が持つ固有の動き(リズム)を再調整します。
  • 神経・血管・リンパ管・硬膜へアプローチ
  • 神経や血管・リンパ管・硬膜に捻じれや緊張が起こると、様々な症状を引き起こします。
    施術によって、神経の異常な興奮を整えたり、血液やリンパ液・脳脊髄液の循環を改善させることで、カラダの隅々の細胞に栄養を運ぶことができるようになるので、自然治癒力が高まります。その結果、内臓機能の向上や浮腫み・感覚異常・精神異常・痛みの改善が望めます。

※電磁波や大気汚染の影響

近年、電磁波や大気汚染(PM0.1~2.5・黄砂・花粉・放射線など)の影響を受けている患者様が増えています。 これらの影響を受けていると、全身の膜組織が少しずつ絞り込まれ(締め付けられ)てしまいます。
まだ、アレルギー症状を発症していない方でも、体内では負担がかかり、軽度の場合は自覚し難く「呼吸が浅い・喉が詰まる感じがする・血圧が高い・頻脈・寝ても疲れが取れない。」など、重度の場合は「病院で検査しても原因不明で治らない症状。」まで様々です。
身体の状態の悪い方は、スムーズに解毒(デトックス)できず、どんどん溜め込みやすいカラダになってしまいますので注意してください。
これらの影響についても、触診によって見極め、施術をすることで、症状改善が見込めますのでご安心ください。


※歯科とオステオパシー

「噛み合わせが悪い。歯列矯正をしたことがある。ブリッジをしている。歯が抜けている。」などの場合、歯や歯を支えている顎、周囲の顔面骨の関節、周囲の筋肉や筋膜に負担がかかります。その結果、全身に様々な悪影響を起こすことがあります。

また、いわゆる足ツボ=「足の反射区」は、足の裏・足の甲・足の側面などに、体内の臓器・器官・腺などのすべての部位に対応して分布していることは、多くの方が聞いたことあるはずです。
あまり知られていませんが、「歯と、カラダの部位や臓器」にも、同じような相関関係があるのです。
例えば、ある臓器に疾患があったり、機能障害があったりすると、その臓器に対応する歯や歯肉、周囲の粘膜が弱化する形で反映されます。もちろん、逆の影響も起こります。

当院では、歯科医師と連携を取りながら、歯と身体の関係についても学び、施術による対応もしております。


施術を受けることで、自然治癒力が最大限発揮されると!

カラダが軽く、動きもスムーズになり、呼吸や心拍数・血圧も安定します。他にも、睡眠が深くなる、呼吸が深くなる、カラダの回復力の向上、便通の改善、内臓機能の向上、解毒(デトックス)など、様々な機能向上や体質変化につながります。
自律神経失調症や更年期障害・アレルギー疾患などの症状であっても、カラダのアンバランスや体液循環・ホルモンバランスを整えることで、症状の改善が望めます。そのため、原因不明の症状でお悩みの患者様も多く来院されます。

技術向上への当院の取り組み

臨床経験は15年を経過し、のべ70,000人以上の施術をさせていただきました。
同じ患者様であっても、カラダの状態は同じではありません。そのため、毎回新しい患者様だと思って施術しています。

患者様の大切なカラダに触れさせていただき、対価としてお金をいただいている以上、プロの治療家として、常に最高の技術を提供できるように、現在進行形で技術と知識の向上に取り組み続けています。

●県内外問わず月に数回は、セミナーや勉強会に参加し続けています。
●年に数回は、海外(アメリカ・イギリス・フランス・カナダなど)の著名なドクターによる、世界基準の内容の国際セミナーを受講し、技術や知識の幅を広げるために学び続けています。
●当院で指導者として、オステオパシー仲間の技術向上の手助けのために、勉強会を開催しています。

※オステオパシーに関心を持たれた方は、以下もお読みください。

オステオパシーでは、「膜組織」を重要視!

近年、テレビ番組や雑誌などで、「筋膜リリース」という言葉を耳にする・見かけるようになりました。実は、「筋膜リリース」とはオステオパシー用語です。
しかし、オステオパシー医学の中での「筋膜リリース」とは、意味が大きく異なります。

膜組織は、種類がたくさんある!
  • Fascia(ファシア)=筋膜 と訳されますが、正式には筋肉を覆っている膜組織のことだけではありません。
    他にも、「骨や臓器・神経・血管・リンパ管」や、さらに細かい「血球や細胞」を覆っている膜組織/複数の臓器を覆う「腹膜」/脳脊髄を覆う「硬膜」/皮膚のすぐ下にある「浅筋膜」/胸部と腹部を別ける「横隔膜(隔膜)」など、いろんな膜組織もFascia(ファシア)に含まれます。
膜組織の働きとは!
  • 様々な器官は、膜組織に包まれ保護されています。また、滑りあうことでカラダを柔軟に動かすことができます。内臓が支えられたり・ぶら下がっているのは、膜組織で繋がれているからです。神経や血管は、膜組織を貫通して分布しています。このようにカラダを内側から守り、バランスを取っています。
カラダ全体を、1つのつながったシステムとして捉える!
  • 全身の皮膚が途切れることなく繋がっているように、カラダの中にある「膜組織」も頭の先から足の先まで途切れることなく繋がっています。膜組織は、カラダの内側にも張り巡らされています。
    そのため、頭を両手で包み込むように優しく触れるだけで、頭から(背骨や骨盤・下肢の歪み・内臓の状態など)全身を評価することが可能なのです。
膜組織は、硬くなりやすい!
  • 長時間同じ姿勢を続けたり、暴飲暴食などで、筋肉や関節・内臓などに負担がかかり続けると、膜組織は硬くなりやすい性質を持っています。これは(筋)膜を構成している組織がカラダの癖を覚えたまま癒着し・硬くなってしまい、伸び縮みをする性質を失ってしまうからです。
膜組織は、自動運動している!
  • 全ての膜組織は同調しており、常に一定のリズムで、伸び縮みしています。膜組織に緊張が起こると、動きが制限されて自動運動が弱くなり、構造が崩れてしまい、機能が低下します。
    オステオパシーの筋膜リリースとは、「膜組織の緊張を解放・調整し、膜組織の自動運動まで取り戻させること!」です。
    メディアでは、「筋膜ストレッチ・筋膜はがし」のことを筋膜リリースと呼んでいますが、意味が大きく異なることをご理解ください。それでも、自己ケアとしては良いことなので、日々のストレッチとして取り入れることをおススメしています。
膜組織を調整する(緩める)と、このような効果が得られる!
  • オステオパシーの施術は、筋肉(筋膜)のみにアプローチする一般的なストレッチやマッサージよりも、ダイレクトに筋膜の緊張や緩みを調整し、自動運動を回復させることができます。その結果、膜同士がスムーズに滑り合い、カラダの構造が正常に戻ることで、機能も正常に働くようになります。
    施術によって、症状の改善が望めるだけではなく、(姿勢が良くなる・血流が改善する・筋肉が柔軟になる・関節可動域が広がる)スポーツ時のパフォーマンス向上や、代謝も上がりダイエットの面でも効果が期待できます。

オステオパシーについての説明

1874年にアメリカ人医師アンドリュー・テイラー・スティル博士によって提唱された自然医学です。
スティル博士は、とりわけ薬剤信仰を嫌い、からだに本来備わっているはずの自然治癒力を最優先する施術方法を観察・研究していました。
語源は、ギリシャ語の「骨」を意味するOsteonと、「病」を意味するPathosからなり、Osteonは「生命の構造体」という意味も持ちます。2つの言葉を合わせ、「生命体の構造に対する療法」と名づけられました。
オステオパシーは、筋膜・骨・関節・頭蓋・脳・脳脊髄液・臓器・リンパ・血管・神経など、あらゆる器官に対する技術を持ち合わせます。
さらに、人間を身体・心・精神からなる統一体として捉え、患者がどのようにして健康から逸脱してしまったか、その結果どのようにして病気になったかを考えます。

オステオパシーは、当初は医者にしか教えていなかった時代もあり、西洋医学と密接にかかわり医学的な分析もされながら、解剖学や生理学・神経学・生物力学・病理学といった科学に基づいて研究され、「オステオパシー医学」と呼ばれる独自の発展をしています。
そのため、オステオパシーは、単に手技療法ではなく「医学であり、哲学(考え方)です。」と言われています。ですから、オステオパシーの考え方に基づいていれば、道具を使っていてもオステオパシーなのです。


 

オステオパシーの創始者 A.T.スティル医師の言葉!

人間の身体の全ての部分が秩序正しく機能しているとき、我々の身体は完全に健康体である。
そうでないとき結果として起こるのが病気である。
悪い部分を再調整すれば、病気は健康に道を譲る。

世界のオステオパシー大学

アメリカなど数ヵ国では、医師の資格も持っているオステオパスと、医師ではないオステオパスとを区別して、オステオパシー大学が設定されています。

イギリスやフランスなどヨーロッパを始めとする数ヵ国では、医師の資格も持つ教育機関はほとんどありませんが、オステオパシーは国家医療資格として法制化されている国も数多く存在します。

日本では、民間資格という位置づけです。
国内での学習機関は、大学とは少し異なりますが、しっかりとしたカリキュラムを組んだ専門学校に近い学習の場がいくつか存在します。また、海外から優秀なオステオパスを招いて、専門的なオステオパシーを指導している団体やグループも多数存在します。